
機体診断とレストア方針
1970年代の名機ですが、保存状態が悪く、全体的にほこりや汚れ、内部においても基板、はんだの劣化・腐食、ヒューズ切れ、トランジスタリード劣化等見受けられる状態でした。
作業詳細(Before / After)
交換部品
ダイオード、一部トランジスタ、電解コンデンサ
ブロックコンデンサ、半固定抵抗、ヒューズ
RCA端子、電源コード。
作業内容
劣化部品交換、各基板旧ハンダ吸取・再ハンダ
基板フラックス洗浄、基板コーティング。
スイッチとボリューム完全分解接点部磨き直し。
酸化・硫化防止処置。
・左画像が作業前、右画像が作業後








製品の特長を活かしつつ、今後安心して使用できるよう、全て分解、洗浄、修理、組み立て、調整を行い、徹底的なメンテナンスを行いました。
テスト内容・結果
回路調整(オフセット、バイアス調整)
オーディオオシレーターとオシロスコープを使用し各入力出力波形確認、各機能動作チェック。
ダミー抵抗を使用し定格出力テスト。
APx555を使用し歪率、F特性確認。
結果
スイッチ切り替え時のノイズの改善
ボリューム動作時のノイズ改善。
歪率:仕様書数値以内を確認。
F特性:仕様書通りのカーブカーブ確認。
※機器の各部調整はサービスマニュアル参照
技術者コメント
最大の特徴はパワーアンプ部が国産初のピュアコンプリメンタリでNPNとPNPトランジスタを使用しOCL(アウトプットカップリングコンデンサレス)にしたことでした。
これはJBLSA600と同じ方式でサウンドの良さからサンスイも採用したと追われています。
現アンプにも通ずるベースとも言えるアンプです。
123